戯作文

戯作とは、通俗小説などの読み物の総称で、戯れに書かれたものをいい、戯作の著者を戯作者という。 そこかしこに書き散らかしたり、細やかにしたためた駄文の置き土産を、ここに印す。

夢追い人

過日宗像大島に、仲間とトレッキングに出かけた。

宗像大社中津宮を抜けて御嶽山(標高224m)の展望台から北側に降りると、岩瀬という小さな集落があって、女人禁制の沖ノ島へ行けない女性達のために建立された、沖津宮遙拝所がある。

そこに立って感じた既視感、そうここはずーっと以前、来たことがあるんだった。

飲食店経営時代はまさにバブルの時期とも重なっていて、投資話もたくさん転がっていた。
必ず上がる株を買わない奴は馬鹿だ、と言われた。(実際買って大コケしてホントの馬鹿だった)昼夜もない位の超多忙だったが、いつか自然の中でゆったりと暮らしたいという夢は、ずっと持ち続けていた。
その時この島のこの地に、別荘地分譲の話を見つけて購入したのだ。

只如何せん現実は甘くなく、土地の手入れ等には頑張って出かけたものの、金と暇が追い付かず、ついぞログハウス建設には至らなかった。

今眼前に、夢の欠片が見える。
木は生い茂り、何軒かのログハウスが見え隠れするが、アクティブ感はない。

かって北の果てで牧草の上に寝転び、日田の山奥で杉の森に抱かれていたこともある。

夢は叶えば、夢でなくなる。
夢追い人は旅路の果てで、未だ夢追い人のままだ。

 

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