戯作文

戯作とは、通俗小説などの読み物の総称で、戯れに書かれたものをいい、戯作の著者を戯作者という。 なら、戯作者の書いた戯作は戯作文。 そこかしこに書き散らかしたり、細やかにしたためた駄文の置き土産を、ここに印す。

ギムレット

去年は、「ギムレット」が押し迫っての最後の一杯だった。

きっとあのスーパードライの登場が大きかった、何でもかんでも辛口が通のような風潮になり、ギムレットもジンと生ライムのみの辛口レシピがもてはやされている。

あの「サヴォイ・カクテルブック」も「テリー・レノックス(レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』)」も草葉の陰で泣いているだろう。

天邪鬼のファーマータナカは、当時日本では入手できないローズ社のコーディアル(加糖)ライムを海外に行った時探しまくった。
(実のところは海外のコンビニみたいなところに普通にあったし、今ではあのAmazonで手に入る?)

冷凍庫に冷やされたタンカレージン、今ではポピュラーになった生ライムに、プラス1tspのパウダーシュガーが見えて、バーテンダーの確かな知識とポリシーに安堵する。

一口すすりながら、年末年始のこの時期に、世間一般の皆様の休暇堪能中とは裏腹にがむしゃらに働いていた時、を想い出す。

医療介護の現場が正しくそうであるように、水商売農業と、人が休んでいても或いは人が休んでいるからこそ、働かざるをえない職種職場がある。

民族大移動の窮屈な里帰り、旧知の友との再会、待つ人がいない孤独な単身者、現実にはこの時こそ居場所を必要としている人がいる。

まだ、郊外の大型SCはなく、アーケード商店街がそれなりに賑わいを見せていた時代、当たり前のようにお正月休みで閉店していた商店主2世3世は、大晦日も元旦もなく営業する店子の我らを横目に見て、儲け主義の単なる掟破りと、陰口を叩いておられたとか。

今では、年中無休は当たり前を通り越し、労働者にもきちんと休暇を与えるべきだという流れにもある。

さてと、ギムレットは長い別れや遠き日を想うイメージ、果たして今年のおおつごもりは、どこでどんなカクテルを飲むことができるだろうか。

 

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